自助努力の精神 『ヒルビリー・エレンジー』

2024/09/06

本年11月に行われるアメリカ大統領選では、共和党トランプ大統領候補から、副大統領候補としてJ.D.ヴァンス氏(アメリカ上議員議員)が指名されています。

そこで、今回は、J.D.ヴァンス『ヒルビリー・エレンジー』(光文社)を紹介します。本書はヴァンスの自叙伝で、2020年には映画化され、全米でセンセーションを巻き起こしました。本書で、「アメリカの繁栄から取り残された白人たち(スコッツ・アイリッシュ)」の存在がクローズアップされたのです。

J.D.ヴァンスが、素晴らしいのは、薬中の母親や負の社会環境を言い訳にせず、自助努力の精神で自分の道を切り拓いてきたことです。

本書では、育ての親だった祖母への感謝が述べられています。

・祖母から「学校でいい成績を取ることがいかに大切か」を聞かされた。うちの一族で「出世する」人間がいるとしたら、おまえに違いない。

・祖母は頭の回転が速くて毒舌なので、一緒に暮らすにはなかなかしんどい相手だった。ゴミを出さなかったら、「クソみたいにグズグズしてんじゃないよ」と言われる。宿題をするのを忘れると「うすのろ」呼ばわりされて、勉強しないとろくな人間にならないと説教される。

などなど、幼少期の逆境を跳ね返して出世してきた人間のエートス(克己心)が学べます。
 
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