日本は「ムラ社会」文化がまだ残っていて、他の人と違ったことをすると“村八分”になることがあります。ただ、それでは、新たな発想は生まれず、長く続く経済不況を脱することが出来ません。
そこで今回ご紹介するのが、本田宗一郎『得手に帆をあげて』(三笠書房)です。
本書の著者は、ご存じホンダ自動車の創業者、本田宗一郎です。本田氏は、その自由な発想で、ゼロから世界的大企業を立ち上げていきました。本書では、その経緯について、いかんなく述べられています。
たとえば、
・これまでも、私はつめてこだわりのない自由なものの見方、考え方を大切にしてきた。固定した観念を持つことをいましめ、こだわりのある見方や考え方を自省してきた。・・・(中略)・・・過去というものは何かといえば、理論のない雑多な経験だけが混ざりあった、人生の排気ガスである。どんどん捨て去らなければならない。これをいつまでも抱えていれば、人生はすぐ老化して、生活のモーションがストップしてしまう。
・私には生来楽天的な気質が備わっていた。決して物事にこだわらない。この気質が私を支えるのに大きく貢献していると思う。
などなど、肯定概念にとらわれないポジティブ思考がうかがえます。
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