信仰と道徳教育 『誰が「道徳」を殺すのか』

2018/10/19

学校の道徳教育から「信仰」が失われて久しくなります。それが、いじめや偏差値至上主義の温床となっています。

 

歴史的に信仰から人権思想が生まれ、道徳教育の基盤になってきたことを論証したのが、森口朗『誰が「道徳」を殺すのか』(新潮新書)です。

 

たとえば、

 

・(pp.180-182)実体だけでなく由来を考えても、人権信仰に他なりません。・・・(中略)・・・これも世界史や政治経済で習いますが、ホッブズの自然権という考え方を受けついだ思想家が、ロックとルソーです。では、この3人のうち、誰の思想がいまも生きているかと言えば、明らかにロックです。・・・(中略)・・・彼の思想を忠実に反映したと言われるアメリカ合衆国憲法は世界最古の成文憲法として生きていますし、アメリカ独立宣言も現在でもアメリカの教育で学ばれています。

 

・(p.180)ロックは、人が自然権を持つのは創造主である神が人を平等に創ったからだと考えます。だから、誰も他者の自然権(人権)を侵害し得ないのです。また、ロックにおいては財産権が極めて重要な役割を持ちます。これが、財産権を重視しなかったホッブズや、それを事実上敵視したルソーとの決定的な違いです。

 

などなど、これからの学校教育を考えるヒントが満載です。

 

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