昨年は、消費税増税により、日本のGDPがマイナス成長となりました。ビジネスパーソンにとっては、まだまだ冬の時代が続きそうです。ただ、こういう厳しい時期にこそ、先人の知恵に学ぶべきでしょう。
今回ご紹介するのが、カール・ベンツ『自動車と私 カール・ベンツ自伝』(草思社)です。
みなさんご存じ、ドイツの高級車ベンツを創業したカール・ベンツの自伝です。私も本書を読むまで知らなかったのですが、カール・ベンツこそ、世界で初めて実用自動車を完成させたのだそうです。
本書では、その偉業が成るまでのさまざまな困難が紹介されています。たとえば、
・私は、将来どんなことが要求されても困らないためには、そして役に立つ優れた能力を身につけるためには、基礎の基礎から始めなければならない、と考えていたが、この考えの正しいことはやがて明らかになる。・・・(中略)・・・仕事はつらく厳しかった。夏も冬も朝の6時から晩の7時まで、たった1時間の休みがあるだけだった。・・・(中略)・・・にもかかわらず、私は仕事が終わったあと、なおも張り詰めた気持ちで理論の勉強の続きに励んだ。
・今こそ本格的に、馬鹿にする人々の薄ら笑いや高笑いと戦わなければならなかったのだ。すべての否定や拒絶をしりぞけ、自分と自分の発明を断固貫くことが肝心だった。
・どこへ行っても驚嘆と喝采の嵐だった。町でも田舎でも、動力車はセンセーションを呼んだ。しかるに母国ドイツではひとりの買い手も見つからなかった。その代わり、1887年にフランス人がひとりやってきた。・・・(中略)・・・そのうえフランスだけではなく、イングランドやアメリカからも買い手がやってきた。
などなど、カール・ベンツの不屈の闘志が縷々述べられています。
確かに現在の日本は不況ですが、流行っている会社は確かにあります。カール・ベンツの不屈の闘志を学んで、環境のせいにするのではなく、自分ができる創意工夫を積み上げていきたいものです。
自動車と私 カール・ベンツ自伝/草思社
溝の口精神科・心療内科医が教える:うつ病予防のためのヒント