許しの力 「母から母へ」

2012/03/01


怒り、憎しみ、恨みが心身に悪いと言うことはこれまでのブログで何度か指摘してきました(たとえば、怒り・敵意と心臓病 、許しの力 、憎しみを超える力 「海の武士道 DVD BOOK」 など)。

怒り、憎しみ、恨みのネガティブ感情に打ち克つには、「許し」の力を借りることです。

参考になる良書が、シンディウェマゴナ「母から母へ」(現代企画室) です。

本書は、「エイミー・ビール事件」を題材にした小説になっています。

これは、1992年に人種差別制度(アパルトヘイト)が終わりつつあった南アフリカに、米国人で女性大学生のエイミー・ビールが現地でボランティア活動していたところ、黒人少年たちに襲撃された殺人事件でした。

ビールの両親は、怒り、憎しみで狂いますが、殺した黒人少年のうち1人の母親から、彼らにビデオレターが届きます。その内容は、彼らに心から謝罪するとともに、これまで白人から自分たちが受けてきた人種差別の過酷な状況を説明する内容でした。

殺害してしまったその背景を知ったビールの両親は、最後には、娘を殺した黒人少年らを許したのです。

少年らは悔い改め、ビールの両親が設立した「エイミー・ビール財団」の中心職員として、今では活躍しているそうです。

ポジティブ心理学では、許しの力を重視し、当院のHSC集団心理療法第4回目でも取り上げ、実習していきます。



 


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