今をよりよく生きるには、過去の偉人たちから学ぶのが効果的です。
そこで今回ご紹介するのが、マルクス・アウレリウス『超訳 自省録』(ディスカバー)です。
マルクス・アウレリウスは、紀元2世紀のローマの皇帝(五賢帝の一人)ですが、政治家と軍人として活躍するだけでなく、哲学者として自分の内面を見つめた哲人政治家として有名です。
本書では、彼が心の平静を保つために心がけた教訓がたくさん述べられています。
たとえば、
・自分の心のなかほど静かで、面倒ごとから解放された場所はない。自分の心のなかを見つめたとき、たちまち心が完全に落ち着くようなよりどころをもっていればなおさらだ。心の落ち着きとは、心の秩序にほかならない。いつも心のなかに隠れ家をもち、自分を取り戻すのだ。
・皇帝ぶることのないよう、内面まで外面の色に染まってしまわないように注意すること。そういうことは、じっさいによくありがちだ。・・・(中略)・・・神々を敬い、人々を助けよ。人生は短い。この地上の人生でたった一つの収穫は、敬虔な態度と社会のためになる活動である。
・私の自由意思にとって隣人の自由意思は関係ない。その人の生きや肉体が私にとって関係ないのと同じことだ。・・・(中略)・・・神がそれを願わなかったからこそ、私が不幸になるかどうかは他人次第であってはならない。不幸になるのは、自分次第なのだ。
などなど、繰り返し反芻すべき人生の生きるヒントが満載です。
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