当院では、解離性同一性障害(多重人格)の治療もしておりますが、アメリカ精神医学会の診断基準(DSM−V)で診断基準が明記されているにもかかわらず、本疾患の治療を拒否する精神科が少なくありません。さらに、DSM−Vの診断基準に「憑依トランス」が入っていて、病因に霊障が関わっています。
そこで、今回ご紹介するのが、ラルフ・アリソン『「私」が私でない人たち』(作品社)です。
著者は、アメリカで100例以上の多重人格治療経験を持つ精神科医で、治療には悪霊の憑依の観点が外せないと述べています。
たとえば、
・どうしても論理的な説明がつけられないことと出会っているうちに、私は「霊の憑依」というのを一概に否定できないと思うようになった。
などと、具体的な憑依症例を提示しながら、率直に自分の心境を吐露しています。症状に苦しむ患者さんたちを一人でも減らすため、「霊的観点を取り入れた精神医学」の確立が一刻も早く求められます。
溝の口精神科・心療内科医が教える:うつ病予防のためのヒント